2000年8月11日

 帰宅直前に、帳簿のチェックを頼まれる。むろん、やる。
 合わねえ。これが私のつけている帳簿なら、合わないことはない。なぜなら、その隅々まで熟知しているし、決して間違いが起こらないようにすべての手順を組むから。人の帳簿なので、それができない。
 2時間ほどかけて、原因判明。帳簿をふだんつけていない人が記帳した部分が間違っていた。こうゆうもんは、可能な限り担当者がやるべきだと痛感。
 民俗学の資料を読む。ふむ。愉快な情報があったので、さっそく活用することにする。次回のアクションは、前回よりもおもしろいぞ。待っていろ柳川マスター。
 「蒼球のフレニール」テイル届く。小池彼方ストーリーテラーに気に入られたらしい。すなわち鼻水マスター。テイルが鼻水まみれだ。こんなところでヘンなあだ名をつけられているとは予想していないだろう。予想されても困るが。
 「勇者王ガオガイガーFINAL 03」を観る。
 アニメにおけるSFXを駆使しており、大きなお友達も大満足だ。そして展開的にも満足の行く内容。光速を越えて収縮する宇宙、だものなあ。こいつはすごいぜ。


2000年8月12日

 妹が旅に出る。お供は犬、猿、雉。向かうは天竺なので、お土産にありがたい教典を頼んでおく。旅の無事を祈り、ウパニシャッドの歌を歌うのであった。ウーパーニーシャッドー。「クリスタル・トライアングル」にそうゆう挿入歌があるのだ。
 ありがたいお経の代わりに、同様の効果がある植物でもいいのだが、残念ながらそれは禁制品だ。ついでに戦前に、似た効果ではあっても悟りとは別物である、という趣旨の論文が発表されていると聞いたことがある。
 気分転換に「星空までは何マイル?」のために原稿を読み返す。
 おお。おもしれえじゃねえか。しかしこれ、「夕刊武士」掲示板に書いたものなので、単体では意味不明な部分が多い。どうして全文を保存しておかなかったんだろう。今さらながら、惜しいことをした。
 同人誌用の原稿も発見して、これは単体でも意味が通る。もちろん、星空を知っていれば、という前提条件がつくのだが。……星空に対する批判への反論でもあるから、そっちを知らないといけないかな。
 否。否。否。明和電機の社訓にもあるではないか。言ったもん勝ちやったもん勝ち。星空は名作なんだから、名作として語り継ぐべきなのだ。星空への批判は、私によって一蹴されたものとしてのみ後世に残るのだ。
 そういえば蓬莱学園について語る人は多いが、そのシステムについて論じている人を見た記憶がない。当時の情報紙にはいろいろと書かれていたのだが、死亡に関する扱いが二転三転したことなど、反面教師として取り上げてもいいように思うのだが。
 打ち捨てられたといえば、ゲーム中に行われた膨大な推論は、どこに行ってしまったのだろう。正解が明示されたから捨て去ってしまうというのは、少しばかり寂しい。間違った推論は熱意の指標でもあるのだから。


2000年8月13日

 「狂気の方程式3 獣覚醒篇」レポートは完成していないが、グレーさんに会いに行く。
 まったく、久しぶりである。最後に会ったのは……おお、記憶がない。たぶん十年ぶりくらいだろう。ゲームブックが縁で知り合った。グレーさんはいっていた。一枚のハガキを「アドベンチャラーズ・イン」に送った。それがすべてのはじまりだった、と。
 真っ昼間から、ビールを飲みつつ昔話。
 思えばあのころ我々は若かった。いや、当たり前なんだが、いろいろと暴走した。失礼なこともした。いきなり電話をかけて、東京創元社に遊びに行って、しかもお土産をもらってくるなど、今から思えば汗顔の至りだ。
 このときのことは、近いうちに再度レポートにしようか、などと思っている。私の記憶力がどこまで再現してくれるか、かなり疑問だが。一番の問題は、当時のレポートを読み返すのが恥ずかしくて仕方がない、ということだな。
 昔話だけしていてもしょうがない。過去を整理し、未来に活かすのが正しい道というものだ。
 「で、また十年後にこうして会って、やっぱりゲームブックの話をしてたら笑いますよね」
 酔っぱらって帰宅。
 レポートは完成していない。〆切は近い。
 過去の教訓を活用することにする。竹林の七賢人は泥酔して、それでも詩を書き上げ、一度も推敲せずに提出したという。もちろん、名作とされるからこの逸話は残っている。またあるマスターは〆切直前にデートして酔っぱらって帰宅し、酔いざましに私信など書き、書き上げたころに酔いがさめたと判断しておもむろにリアクションを作成したという。
 真似する。

 やれば、できるもんである。明日、印刷して発送の予定。


2000年8月14日

 本郷先輩、一文字先輩、そしておやっさんにマスタリングがなっちゃねえと説教される夢を見た。
 こんな夢を見るということは、まだ上を目指せということだろう。もちろん今の私のベストであるのは間違いないのだが、潜在力がまだ残っているということだろう。次回は、ますます力を振り絞ろう。力を出し尽くしてからが、本当の戦いなのだから。
 チーフ、長期休暇。ヒマなので、チーフの仕事をして一日を過ごす。
 プリンタのインクを買いに行き、ついでに日本語版「ヴァンパイア:ザ・マスカレード」購入。訳文とレイアウトが恰好いい。しかし翻訳チームに、悔しいことに海法紀光が入っている。……俺、安田均訳の本、いろいろ買ってるよな。そして安田を嫌うこと蛇蠍のごときものがある。なんだ、問題ないじゃん。
 レポートを一部手直しして、印刷。本文12ページ、合計16ページ。ただし前回の本文が59KBなのに対して、今回は57KBなのでほとんど変わりがない。コピー代をケチって、フォントをわずかに小さくしたのだ。そして、コピーに行く。
 コピー中に、突然みやかわさんのおっしゃっていたことを思い出す。
 しまったあああぁぁぁ!!!
 プレイヤーは文字数を多くしてページ数を減らすより、文字数を減らしてページ数を増やす方を好むのであった。……まあ、いいか。
 愉しく発送作業。明朝、投函する。都内なら16日には届くだろう。
 ライアーの次回作「ぶるまー2000」の最新情報を見る。
 星空めておは天才だと、改めて痛感する。こんなものマスタリング期間中に見ていたら、自信を喪失して何も書けなくなっていた可能性がある。
 「ブルマー2000」の敵として、十ケツ集というのが登場する。もちろん、「ジャイアントロボ・ジ・アニメーション」のパロディだ。しかしこのセンスには、完敗だ。
 どうやったら"天才悪魔"十常侍を"変態ブルマ"猩々寺にできるのだろう。"素晴らしき"ヒィッツカラルドを"ブルマ好き"フィッツジェラルドにできるのだろう。子音しかあっていないではないか。アクセントも違う。
 私はこの例を見て、ようやく発想の自由さを思い知って"混世魔王"樊瑞を"紺ブルマ王"樊瑞に変換し得るにすぎない。否。否否否否イナー! これでは語呂があいすぎている。めておセンスの足下にも及ばない。
 上には上がある。改めて、思い知った。実るほど頭を垂れる稲穂かな。重圧なんかに負けるもんか。


2000年8月15日

 黙祷。
 ライアー「ぶるまー2000」の十ケツ集戦闘員に応募しようかと考える。それこそが天才・星空めておに答える道だ。
 コードネームはもちろん痴多星誤学人だ。
 ああっ! 私はまた大切なことを見落としていました。
 絵が描けねえ。これではちょちょいとテケトーなものを送りつけるということはできないではないか。
 しかし方法はある。実写だ。規約に従い、ブルマをかぶったところを写真に撮り、スキャナで取り込んで送りつける。もちろん目にモザイクなんぞいれやしねえ。そんなに素顔が怖いんですか。
 大作の父親はいった。エロゲーは恥なくしては作れないのか、と。これに応募することが恥でなくてなんだというのだ。だったら俺も恥だと考えればいいじゃないか。末代までの恥というが、どうせ私が最後の世代なのだから問題なし。
 「でも石井さんはまだ生きているじゃないですか」
 俺でよかったらいくらでも恥をかいてやるさ。そう、だから俺のコードネームは不恥身の石井文弘!
 ということで、ブルマを入手することにする。
 しかし調査の結果、今やブルマは極めて入手困難であることが判明した。
 そのとき私の脳裏にあることが閃いた。こうゆうときにこそ、ブルセラショップというものを活用するべきではないだろうか。ブルマとセーラー服を売っているからブルセラショップというのだろう。そこでなら入手できるはずだ。
 「石井を止めろ、ヤツは暴走している」
 ええい、どけ。
 人類の歴史はエロとの戦いだった。あるときは梅毒の恐怖におびえ、毛ジラミの痒みにのたうった。そして今はエイズだ。しかしもはや恐怖のない素晴らしいエロを手に入れることができるのだ。エロとともに生きエロとともに死す。今さらなんのためらいがあろう。私はエロの、エロゲーの出演者となるのだ。
 ということで、喜び勇んでブルセラショップに向か……おうとして、ふと気がつく。どこにあるんだ?
 理性が目覚めたとたんに、もうひとつの事実に気付いた。そうゆう店で売っているのは中古品だ。人の履いたものなんぞ、かぶりたくねえ。汚いじゃん。
 ということで、中止。
 しかし、「ぶるまー2000」は「行殺☆新選組」のようなひどいバグはないだろうなあ。君たちに0.2パーセントのバグの恐ろしさが分からないはずはあるまい。
 お盆ということで、仏教の本質について考察する。
 盂蘭盆経に基づいてお盆という風習はできたのだそうだが、どうやらこれは偽書であるらしい。支那人は仏教をそのままの形で受容することはできなかった。そこで道教に引き寄せて変形させ、ようやく受容したのだ。支那人は先祖を敬うが、仏教はそうではない。
 そもそも釈迦は王家に生まれ当時としては最高の贅沢をさせられていたというのに、不良どもと付き合いパンチパーマなどかけ、好きなように生きたいと言い放って家出しているではないか。ヤショダラ姫さんが妊娠したと告げると、そんなこと知ったことか、悪魔とでも名付けるがよい、などとひどいことを答えている。……こう表現すると、最低人みたいだな。チベットのダイバダッタ機関に暗殺されてしまうかもしれないので注意せねば。
 「ヴァンバイア:ザ・マスカレード」途中まで読む。ブルージャがブルハーになっている。トレメアがトレメールになっている。まあこのあたりは表記や発音の違いなのだが、アサマイトの呪いが解かれたというのは驚きだ。たぶん私の知識が2ndに依っており、日本語版は(何も書かれていないが)3rdを基にしたということなのだろう。1998年にトレメールによる呪いが解かれたのだそうだ。だからといってアサマイトが同族喰らい無制限になったということではなく、別の弱点を持つにいたったのだが、カマリリャの犬でなくなったという魅力は大きい。


2000年8月16日

 コミケットのため上京していたミハイルくんと遊ぶ。
 ゲームセンターでしばらく時間を潰し、イエローサブマリンIIに移動。現代TRPGについて考察する。いろいろとどーでもいいことを話し合って、食事。しかる後にカラオケ。アニメや特撮の歌をうたいまくる。
 「ビデオ戦士レザリオン」はどのあたりが「ビデオ戦士」で、形式はVHSなのかβなのか、というどーでもいいことを話す。「宇宙西遊記スタージンガー」の「せまいもんだよ銀河系」というのはムチャすぎる、ということも話す。「心はジプシー」はひどい歌だとか、「プラレス三四郎」はもっとひどいとか、「行け!ゴッドマン」は完璧にひどいなどということも話す。
 購入しておいてもらった同人誌の受け渡し。相変わらず愉快なものを買っておいてくれる。これは読みながら紹介することにしよう。
 3時間歌い、喉が痛くなって出る。
 まだ早いが、ミハイルくんの帰宅の都合があるので、とっととイギリスパブに移動して飲み始める。でまあ、コミケットにおける愉快な話を聴かせてもらう。
 とある外周サークルにて。ミハイルくんの前に並んでいた男が、こんなことを言い放った。
 「これ、高く売れるんですよね。儲けた金で何を買おうかな」
 ……。
 さらにこいつは、戻ってきてこう言った。
 「まだ余っていたら、転売用に欲しいんですけど」
 こんなの、客じゃねえ。殺せ。神が許しても俺が許す。
 人の感情というものを考えていねえ。感情が不自由、というのは、多少なりとも自由が利く存在に対することばだ。こいつには心が、ない。
 ミハイルくんが参加したオフ会のことも聞く。ここではミハイルくんが一番薄かったそうだ。人のネタを聞くだけでは失礼なので、無理にネタを出したところ、こんな会話になったという。
 「山田正紀の『神狩り』って、おもしろいですよね」
 「まったく。コンピュータを使うために学生闘争を起こすというのが素晴らしい」
 俺たちはこんなところ、「時代だね」と読み流していた。
 ミハイルくんが幸せになったという。これはいかなる意味なのか訊ねた。
 なんでもミハイルくんは大阪イエローサブマリンで見掛けた美少女をゲームサークルの集まりに連れていき会員にすることに成功し、いつしか本気で口説こうと思いつつもどうやら彼女の心はIくん(気配りができて英語サプリメントもばりばり読みこなす将来有望な青年)にあるらしいので諦めていたところ、「ミハイルさんがくだらない、クズばっかりだ、と嬉しそうに話しているメールゲームっておもしろそうね。あたしも参加してみようかしら」と話しかけられたため喫茶店でどの作品に参加したらいいか教えていたところ、実はそんなことはミハイルと話すための口実に過ぎず、実は彼女はミハイルごときに惚れており、今では結婚を前提としたおつきあいをしているから……ではない。そんなドリームなことは絶対にあり得ない。単に、出ないと思っていたボーナスが出ただけだそうだ。
 それはそうと、ミハイルくんのページを読んでいる、おもしろいといっている人に、どのあたりがおもしろいのか訊ねたそうだ。
 なんでも、多くのプレイヤーはゲームがつまらないと思っていても、それを口には出さない。どこか奥歯に物が挟まったような言い方で口を濁す。だから、ゲームを愉しめないのは自分だけではないか、あるいはこの話題は触れてはならいものなのではないのか、という不安にかられるのだそうだ。そこにミハイルくんが颯爽と現れる。
 「海賊はダメだった」
 「☆はクズだ」
 「一番おもしろいゲームはまだ始まってないゲーム。妄想してるうちが一番愉しい」
 などと、いいにくいことをスパッと言い放つ。そこがいいのだそうだ。
 でも事実の指摘をしても全然大丈夫。なぜって彼には愛がある。
 「ミハイルさんって、クズフェチですよね。クズ作品のことを、うれしそうに話しますもの」
 と、彼女はいっていたという。オタクというのは、クズをクズとして愛せる人々のことだ。そしてミハイルくんは、間違いなくオタクだ。
 いい心地に酔っぱらって、別れる。
 同人誌を読む。さわやか同心「帝国華撃団・参上!」。「野望の王国」立馬国造が日本の黒幕・大神楽に反逆して捕まり、大神楽の妾たちに拷問される場面のセリフを換えただけという素晴らしい代物。「サクラ大戦」ファンの神経を逆撫でするだろうなあ。このあたりのいやがらせをさせると、あく☆いちもんじくんは本当に巧い。
 ラクメキア「男の世界〜ガンダム〜永井十勇士」。永井一郎が声を当てたキャラクターの特集本。アカハナ、エルラン、ゴップ、コンスコン、ジダン、ティアンム、ドレン、ブーン、マッシュ、デギン、そしてナレーター。これを読むと「ジオンの系譜」をプレイしたくなるか、ガンダムを観返したくなる。いい本だ。ちなみにA6版16ページ。
 とうふけーき「御☆法度 GO!Heart」。……同人誌? 「行殺☆新選組」のマンガなのだが……まあセルフパロディってことでひとつ。
 でもって、すてねこ&とうふけーき「痕祭」。まさか本当に買ってきてくれるとは思わなかった。というか、別に買わなくてもいいといったのに。興味のない分野だし。
 あとパラノイアの本にも「士道不覚悟は反逆」とあった。イラストは土方歳江であった。
 帰宅すると「狗狼伝承〜放課後の旅人たち〜」の第二回リアクションが届いていた。参加者は8名。しかし、内容は途方もなくおもしろい。早く電子化しよう。


2000年8月17日

 引き続き同人誌を読む。
 山本弘「プラモ狂四郎を10倍楽しむ本」。山本和弘さんとの対談形式で書かれた、タイトル通りの内容の本。ごくふつうにガンプラにマニアックなツッコミが入っており、楽しめる。ただし私はガンプラマニアではないので、「プラモ狂四郎」を読み返すよりも彼らの発言を読んでいた方がおもしろそうだ。ガンプラマニアならもっと楽しめるだろう。
 関係ないが山本和弘さんとは、二度ほどお会いしたことがある。正直、この人と戦ったら確実に負ける。そんな濃いオタクであった。
 パラノイアの本を途中まで読み、就寝。
 起床して、岡田斗司夫・田中公平・山本弘『絶版』を読む。ゲラゲラ笑う。特にゲラのところ。いや、洒落じゃなく。どのようにゲラに手を入れたか、公表しているのだ。その日和っぷりがおもしろい。
 読み終えて、記憶から消去する。消去しても、いくらかは残る。それで十分だ。上を目指すための心意気だけ残ればいい。ここにあったネタを転用するのは、かなりみっともない。
 「蒼球のフレニール」参加費を最終回分まで振り込む。「デモンスリンガー」「ソング・オブ・トリニティ」の参加費も払おうかと思ったが、予定外の出費があったのと、まだ〆切まで間があるので、先延ばしにした。
 柳川シナリオの参考文献『全国アホ・バカ分布考 はるかなる言語の旅路』(松本修/新潮文庫/\781)を購入。とっとと読まねば。
 柳川リアクション、半分まで電子化。明日には完全に終了するだろう。


2000年8月18日

 『全国アホ・バカ分布考』を読む。
 これは感動的な本だ。途中までしか読んでいないが、この感動は記録しておきたい。
 特に沖縄の「フリムン」が、従来は「(気の)触れた者」という意味であると解釈され貶められていたのに対して、老人が孫をそのような強いことばで叱るはずがないという信念から反証を試み、「ぼんやりした人<惚け者」が語源であると音韻論的に証明していくくだりは、実に感動的であった。
 タイトルからあなどっていたが、これは確実に名著だ。読め。読んで感動しろ。
 適当に仕事をして、とっとと帰宅。
 柳川リアクション、電子化終了。欲しい人はメールしてくれれば、あげる。そしてみんなに広めて欲しい。柳川シナリオは素晴らしい、と。決して電子化リアクションを転送しろということではないので念のため。連絡さえくれれば、差し上げる。規定上、これなら問題はない。
 いきなり思い立って「アルプスの少女ハイジ」後半を観る。
 ハイジがかわいい。クララもかわいい。ということで、晩年は山奥でオンジのような生活をすることを希望。隠者生活ってのは、昔から憧れているのだ。ただ象牙の塔にいちゃいかんという感覚もあるので、このあたりが難しい。
 明日は文京プライベ。愉しみだなあ。ひたすらエンガチョや架空言語の研究を続けるのだ。


2000年8月19日

 奉仕の会「いきつけの反逆者」を読む。決めゼリフ SAY!,"GYAPHOON" が素敵。ギャフンといわせてやる、を直訳しただけなんだが、なんかいい。こんなものを読んでしまった私は、またしばらく日記にPARANOIA用語を書き散らすことになるんだろう。でないと、反逆だ。
 図書館に行き、言語学関係の書籍を3冊ほど借り出す。エンガチョ研究と架空言語学に必要なのだ。
 『全国アホ・バカ分布考 はるかなる言語の旅路』を読みながら文京プライベに行く。この本、タイトルで失敗している。正確なタイトルなのだが、内容のおもしろさを伝えていない。
 バカタレ、アホタレという。この「タレ」とは何か考察した方法論が、エンガチョ研究にも役に立ちそうな気がする。「洟垂れ」「小便垂れ」などの罵倒語にも「タレ」は使用する。しかしこの「タレ」は物理的に何かが下にしたたることを意味する。対して「ごんたくれ」「ひょうたくれ」といった罵倒語が存在し、この「タクレ」が混同され縮まって「タレ」となり、二系統の「タレ」が混在することになったのではないか。そんな推論が展開され、証明されていく。
 二系統の混在と、系統の分析。この手法は、応用できる。
 文京プライベでは、まずマスターごとの参加者を確認した。マスター数、約30名。そして開会時のプレイヤー数30名。みごとにバラけた。柳川シナリオには2名しかいなかったのだが、もっとも多いところで5名、せいぜいが3名で大半が1名という状況では、ここが中堅であるかのような印象だ。
 そこらへんをうろついていたsnくんをとっ捕まえて、このことについて言い難い事実の指摘をする。
 「これこそPBMのバベル的状況を示しているではないか。プライベにわざわざやってきても、会話が成立しないのだ。顧客サービスの名のもとにゲームのダイナミズムを殺している。そして待つのは閉塞的状況だ。そもそもマスターたるものは、30人ごときの少人数で息切れしてはいかん。50名だって少ない。少なくとも300人は担当し、舞台裏では息切れして真っ青になっていてもいいから、プレイヤーの前では『このくらいどうってことない』と胸を張っているべきではないだろうか。300人というのは冗談ではなく、坂マスはデビュー当時、実際にそのくらい担当したのだ。俺だって事務の問題をクリアすればそのくらい対応する。問題は少人数対応ということが主流になるにつれてマスターに大人数対応のノウハウと、そしてもっとも重要な気概が失われ、またプレイヤーが少人数対応にスポイルされてしまったことではないだろうか」
 300人対応ならば、30名マスターで9,000人。もうちょっと頑張って1万人。新たな地平を見出すことだってできる。あるいはマスター数を減らし、プライベでの共通の話題を確保することができる。私はもはや、ゲーム内の自分とは直接関係のない事象について語ることを放棄してしまったのだが。すなわち、柳川マスターのリアクションしか読まない。海賊王女のときは読み過ぎた。しかも、役に立たなかった。
 杉本さんと、エンガチョについて語る。
 エンガチョからの防御呪文として「鍵かけた」「油かぶった」の二つを併用する地域がある、との報告があった。これについて、鍵は複数の報告があるのでよいとして、油とは何か議論する。
 杉本さんはエンガチョ=細菌説から、エンガチョは嫌気性を持つのではないかとの意見を述べた。私は、これは清めのための儀式ではないかと推定した。
 日本人は清めのために水を使用する。それも汲み置きの水ではなく、流水を好む。油とは、これから来ているのではないだろうか。ただ油による清めはキリスト教的であり、どうも整合しそうにない。
 その後、エンガチョの研究のために立川に行く、というアイデアが提出された。とある同人誌のネタなのだ。立川でエンガチョの研究をするという人物を訪ね、謎を追ううちに米軍基地に突き当たる。
 「またしても米軍は我々の前に立ちはだかるのか!」
 そんなバカな話を含めて、いくつかの有効なアイデアが提出された。
 ホビー・データに関する困った情報を入手し、海法紀光氏が黒兎さんの先輩であるというどーでもいい情報も仕入れた。うーん、直接会うと、いい人みたいだなあ。関係ないけど。そして黒兎さんは院試の日程を間違えるという、かなり稀な人物であるということも判明した。ちなみにミスカトニック大学だそうだ。いいなあ。
 チャットでしか知らない狭霧さんや神子さんに挨拶し、帰宅。……しまった、とぽさんに挨拶しなかった。まあ、次回ということでひとつ。あと水無神知宏DGMのサイン色紙がいつまでもいつまでも売れ残っていたのが、寂しげであった。あの人、恰好いいのに。そしてDGMをデビルガンダムと読んだ人が出現。
 帰宅し、電池が切れる。バタンQ。


2000年8月20日

 「ぶるまー2000」体験版が届いていた。ぎゃあ。内容が透けて見える。
 めておさーん、ひどいじゃないですかめてめてさん。どうしてこんなエロいものを、中途半端に家族に見えるようにしてしまったんだよー。なあ、お前ならどうする、ジャイアントロボ、いや、星空めておー!
 報復に *deleted for security reasons* といういやがらせを思いついたのだが、マジで洒落にならないのでやめる。BF団だってそこまではしないさ。もしトチ狂って実行したら、それはB2Kの惨劇と呼ばれることになるだろう。ちなみに「県立地球防衛軍」でカーミ・サンチンの姉が小学生のとき、スカートめくりをされ、さらにパンツまで脱がされそうになったという。このとき本気で腹を立てたパメラ・サンチンは、小遣いをはたいてその同級生の名義でエロ本の通販を申し込み、数週間後、彼は親からボコにされて顔が変形した状態で登校し、そのまま家出して以後知るものはいないという。いやしかし、封筒はもうちょっと濃い色にして内容が見えないようにしてもいいと思うぞ。俺は不恥身だからいいんだが、境界領域の人が心配だ。……そんな人は、そもそも体験版送付希望したり「行殺☆新選組」のアンケートを送ったりしないか。
 オープニングテーマは、「行殺☆新選組」の救いようのないヘタクソっぷりに比べると、格段の進歩がある。といって、決して巧いわけではない。一方で、杉良太郎「君は人のために死ねるか」のような、いやな耳にこびりつき方をするわけではない。かなりテンポはよい。はっきりいって、評価に困る。これまで計算尽くでやっているとしたら、めておの天才ここに極まれりという感じだ。大方の人はそこまで考えないので、予算か時間が足りなかったと流すべきなのだろう。

 公開講座関係者に手紙を書く。とりあえず、3通。せっかくだから、あと3通書くことにしよう。すなわち全員。
 喫茶店で茶を飲みながら公開講座2000の資料を読み漁る。
 『全国アホ・バカ分布考 はるかなる言語の旅路』やっと読了。当初、これは学術書として執筆される予定であったという。しかしこれを学術書にしなかったのは、実に賢明な判断だ。なぜなら学者は一般書を読むことはあっても、一般人は決して学術書を読んだりしないからだ。何より学術書は、高い。文庫なら千円としないで、これだけの蓄積を読むことができる。学術書が高級だなんて、とんでもない思い違いだ。知識は活用されてこそ意味がある。人に広められてこそ価値がある。死蔵されたものなんて、ないのも同然だ。
 ともあれ、優秀で熱心な編集者によりこれが一般書として出版されたことを、感謝しよう。
 小谷仲男『大月氏』読了。これはもう一度読み返そう。イブン・ハルドゥーンの王朝百年寿命説は、文明・文化一般にも当てはまるのではないだろうか。唐様で売り家と書く三代目、という。三代目になると初代の気概は失われ、新たなものに取って代わられるのだ。たとえば、コンピュータネットワークゲームとか。
 丸山圭三郎『言葉と無意識』再読。ソシュール研究家の第一人者が書いた入門書だ。読んでも公開講座2000には影響がないだろうと思ったが、心理学や比較神話学、アナグラム研究に言及されており、なかなか興味深かった。
 言語学と方言学の本を、ちらっと読んで役に立たないと放り出し、帰宅。
 途中、古書店にて『小説 天空の城ラピュタ』入手。即座に読む。新たな語彙は蒐集できなかったが、いくつか興味深いことを確認できた。ドーラの履いているもの、そしてシータがドーラから借りたものは、ブルマーなのだそうだ。なるほど。いや、そんなことはどうでもいいんだが。
 それよりもラピュタ人の精神構造が気にかかる。インドラの光を操り、ルパンもびっくりなロボット兵器を量産するラピュタ人は、どうしてそのロボット兵に自然との調和を命じて地に降りたのだろう。また、王族はどのような方法で支配体制を樹立していたのだろう。武力を背景とした恐怖政治であったとしたらラピュタのような狭い空間で長期に渡る安定政権を維持できるはずがなく革命を起こされただろうし、カリスマ政権ならば王が地に戻ろうといえば付いてきただろうがカリスマ政権は長期における安定性に欠ける。うーむ、分からない。
 分からないといえば滅びの言葉を残した点も分からない。あんな剣呑な呪文があったら、民はおののくだろう。平和な統治は成り立ちにくいのではないだろうか。一応、合理的な解釈は考え、これは次回のアクションに書く予定だが、どうもいまいちだ。しかしこれ、架空言語とはあんまり関係ないな。
 「と学会誌8」を読む。唐沢俊一のサイン入りという逸品だ。帽子とメガネだけの自画像に「これはUFOではナイ」とのコメントが付してある。素晴らしい。そして報告の半分は山本弘の手になるもので、彼の偉才に敬服するとともに、他の会員にも頑張って欲しいというかもうちょっと山本弘も抑えりゃ他の会員が奮起するかもしれないのに、などと、部外者のお気楽な立場から好きなことを考えたりする。
 スタジオ・ザルツウェルツ「マイナーロボット大戦」。スーパーロボット大戦には登場しそうにないマイナーなロボットのイラスト集。なんだか心が洗われる。
 阿曽くんから電話。
 私には友達が少ないので、電話があるとわざわざこうして日記に書いている。結果として電話の回数が多いような印象を与えるが、そんなことはない。と、前振りをしておいて。
 このフリムン、本地なし、タワケ、ハンカクサくてバカな阿曽は、よせばいいのに「石井に携帯電話を買わせる」署名などというものを集めている。300人集まったら買うといってしまったのだが、わずか3日で60名の署名が集まったという。まったくもって困ったもんである。
 でまあ、そのことについていくつかの意見の相違を確認し、メイルゲームの過去と現在、そしてあり得べき未来について語る。結果、私は *deleted for security reasons* ということが判明した。これじゃホビー・データについては語りにくい。というか、下手なことを書いたらマズい。
 あと、虎井さんがホビー・データのマスターだったということに驚いた、という話もする。妻子持ちということをホビー・データにバラされたといっていたのでおかしいとは思っていたのだが、関係者とは思わなかった。……まあ、いいや。私くらいになるともはやそのくらいのことには動じない。って、動じろよ。
 「狗狼伝承〜放課後の旅人たち〜」の公式掲示板にちっとも書き込みがないという話から、小泉マーくんの掲示板も閑散としている、という話になる。もしかしたら、今のゲーマーはマーくんのことを知らないのではないだろうか。ネット88、蓬莱、那由他でのゆるやかな三部作とか、数学的手法を使った詩的なリアクションとか、もっと称えられるべき人だと思うんだがなあ。ちなみに遊演体の社長。


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