このページはPBMサークル「ドラゴン・オーケストラ」の会誌企画「テレスの街の物語」をサポートするためのものです。
「テレスの街の物語」とは都市育成シミュレーションとでもいうべきゲームです。参加者はキャラクターを登録し、その行動を通じて街を豊かなものとしていきます。通常のPBMとは違い、複数キャラクターの登録が可能です。また、他人が登録したキャラクターを動かしてもかまいません。
厳密な意味でのマスターも存在しません。私(ドラゴン・オーケストラでは「じゃぐらー」と名乗っています)はテレス新聞という公式記録の作成者に過ぎません。公式記録を作成するために数値等の判定を行ったり、能力値の変動を決定することはあります。また街を豊かなものにするため、イベントを提案することはあります。ですがその権限は通常のマスターに比べれば弱いものです。ふだん偉そうにふるまっているので誤解されているかもしれませんけれど。
発起人である佐野豊さんも、マスターではありません。基本的なルールを作成したり、イベントを企画したりしていますけれど、公園の管理人、といった役どころです。
「テレスの街の物語」について私が予定したイメージは、かつての遊演体が示した「理想のネットゲーム」でした。私はネット88にも蓬莱学園の冒険にも参加していませんが、それだけにいっそう、創成期の理想に惹かれるのです。
プレイヤーとマスターがいるのが、通常のゲームです。多くのゲームはこの形式です。それに対し遊演体が示した理想は、プレイヤーもマスターもない世界です。あるときはプレイヤーがリプライを送り、公式マスターが行動を判定する。一方で、あるプレイヤーが他のプレイヤーに対するプライベートマスターとなり、別の視点からゲームを愉しむ。その結果が公式シナリオに反映され、ゲーム世界はより豊かなものになっていく、という理想でした。いわば全員がプレイヤー、全員がマスターという世界です。
もう少し詳しく説明しましょう。従来のゲームは一人あるいは複数のマスターによって統制されていました。そこにあるのはマスター(グランドマスター)を頂点とする構造です。意地悪な言い方をすれば、プレイヤーはマスターの手のひらの上で踊っているに過ぎません。ゲームブックは完全にこの構造が当てはまります。テーブルトークならプレイヤーの行動がマスターの思惑を越えることもあるでしょう。ネットゲームなら自由にプライベートリアクションを書くなどできます。ただしネットゲームでも、プライベートリアクションなど非公式の行動が公式のものとして採用される確率は低いようです。私はこの枠を、創成期の理想通りに取り払おうとしました。ゲームの構造自体を革命的に変えてしまおう、ゆるやかな管理のみが存在する「遊び場」を創造しようと考えたのです。
蛇足ながら、この構造はインターネットと同じものです。あまり小難しい話はやめておきますが、街造りというゲームの主題にも適したものです。誰かが統括して造った都市よりも住民が自主的に創っていった街の方が、効率は悪いのかも知れませんが豊穣な可能性に満ちています。もっと詳しいことが知りたいという方がいらっしゃいましたら、『妖虫戦線』(山田正樹/中央公論社)第一巻172ページ以下をご覧ください。ポスト構造と呼ぶなら呼んでもいいです。私は構造主義寄りの人間ですけど。
まあ、理想はあくまでも理想です。誰でもマスターになれるほどの暇と力があるわけではありません。幸いにも私は暇な世界の住人ですし、パソコンマニア(というかパソコンフェチ)なので機材も揃っています。新聞記事を書く能力は誰にも負けない自信があります(もし自分の方が巧いと主張する人がいたら、喜んでこんな面倒な役職はお譲りします)。ですから新聞委員、という自分に適した形でテレスの街に関わることにしました。
理想を現実のものとすべく、テレスの街には重要なルールが設定されています。人のキャラクターを勝手に動かしてよい、というルールです。最終的な判断は新聞が行います、みなさんは自分のキャラクターばかりでなく人のキャラクターを動かしてください、ということです。これによりマスターとプレイヤーの境界はあいまいなものとなります。
システムの話ばかりしても仕方がありません。テレスの街がどのような世界なのか説明することにしましょう。
ひとことでいえばファンタジーものです。
時代背景は先の大戦とそれに伴う大崩壊「滅びの七日間」よりおよそ五十年。佐野さんがドラゴン・オーケストラで行っていたファンタジーPBMより約四十五年後の世界です。
かつての高度技術は失われ、平均的な技術レベルは現実の中世並に落ち込んでいます。一部の職人は大戦前の技を伝えているかもしれませんが、彼らだけでは大量生産は不可能です。
多くの魔法使いや文献や道具が失われたこと、「滅びの七日間」が制御できない魔法の暴走によって引き起こされたこともあり、魔法は珍しい技術となっています。魔法の使用に猛反発している政治家もいます。
舞台となるテレス市は流民時代の指導者テレス・レーネードが市長となって発展させた街です。テレス市長は絶大なカリスマ性と理想主義、かつては大戦の報道者であったという現実把握力から、テレス市を(田舎町としては)隆盛させました。しかしながら老齢により鬼籍に入り、遺言による普通選挙の結果、甥であるロベスピエール・ベルモンドが新市長に就任しました。
前市長は問題さえ起こさなければ移民を受け入れる方針でした。足を洗ったとはいえ暗殺者を受け入れたことさえあります。エルフやドワーフ、巨人や砂鬼といった異種族も受け入れました。しかし現実問題として異種族差別は根強いものがあります。巨人や狼憑きを人間と同じように扱え、という方が無茶なのです。
盗賊ギルドの内部紛争があったり、市長の死去で政情が乱れたりしていますが、今のところ市民の生活は安定したものです。
まあ、詳しいことは以下のとおりです。当初の予定が狂ってしまったところが多数ありますが、誰にも制御できないからこそ自ら発展する都市といえるのでしょう。そうゆうことにしておきましょう。
テレスの真相 第一回(40号)
テレスの真相 第二回(45号)
テレスの真相 第三回(47号)
テレスの真相 第四回(49号)
テレスの真相 第五回(56号)
テレスの真相は基本的に冗談なので、あまり本気にしないでください。
冗談にこうした注釈をつけるというのも不粋ですが、本気にする人があまりにも多かったのです。トホホ。
テレス・スーパースター列伝 第一回(59号)
リョウ・バベッジ、シグ・ザウエル、パイオII世
テレス・スーパースター列伝 第二回(61号)
ドクター・エンハンス、スプリングさん
公開された手記 市長選の内幕(46号)
パイオII世公開裁判告知(46号)
勝手に行こう 好き勝手版 レオン・クリード議員インタビュー(48号)
公開されなかった手記 佐野豊さんの投稿(48号)
フォーズミー教授の帰還 太門太さんの投稿(55号)
ブロッケン・シュマウハイザー博士の手記(55号)
この別冊は45号と同時に発行されました